有楽町であいまSHOW!

at 国際フォーラムDホール on 2000.1.10

 

2000年1発目!趣向を凝らした企画内容〜

 

<セットリスト>

M1:空が好きだった君に M2:みち草 M3:The Birthday Song M4:Love Songはもうニ度と M5:いつか2人で… M6:1/25の君 M7:花火 M8:A Gentle Breeze M9:WINTER PARK M10:MY Treasure M11:この冬が終われば M12:アントニオカルロスジョビンメドレー(WAVE〜Desafinado〜イパネマの娘〜Chega De Saudade〜Aqua De Beber〜One Note Samba) M13:きっと夢を見ていた M14:詳しくは言えない M15:僕はピアノが好きなんだ M16:ダメじゃない! M17:Cryn Smile M18:☆STAR☆〜スター〜 M19:東京エンプティタウン

EC1:A HAPPY NEW YEAR EC2:1998 EC3:ありがとね

 

<メンバー>

Pf・Vo光田健一 Key:河野啓三 B:田中豊雪Dr:杉野寿之Per:CICO Cho:斉藤久美子 G:藤井晴稔(飛び入り参加。M14から) 向井淳(ほんのちょっと)

 

 

1.はじめに

 

年明け、1発目のライブ。今回はなんと、初ホール公演。DMを手にした瞬間、「すごい」と思ってしまった。さて、今回は、GENTLES2000と命名されたメンバー。DMに書かれていた内容では、CICOちゃんと、久美ちゃんはゲスト扱い、藤井さんは不参加というもの。「あ〜、縮小メンバーでやるのかぁ」と思っていたため、一体どんな風になるのかな?初ホールということもあり、どんな見せ方をするのかな?と思いつつ、当日を楽しみにしていた。そもそも、富山ツアーから、約1週間後ということもあり、年明けは、まさに健ちゃんづくし(とまではいかないか^^)。

 

チケット代に関して言うと、まあ、こんな所で言うのもなんだが、「ちょっと高くないか?」と思った。メジャー並みの金額(ちなみに、このライブの数日後に行く、武道館で行われる、某アーティストのコンサート代と一緒だった)。高い安いということを、言っている場合ではないが、私が初めて健ちゃんのライブに行った時の、約2倍の金額。どんどん高くなっていっていることは間違いないが、この金額を高いと思ったままで終わるのかどうかは、内容を観てみないと何とも言えないのと、場所代も結構あるんだろうし…ということで、「まあ、良いでしょうと」正直思っていた(それになんと言っても、値段は関係無く、「観たい!」と思っていたし。きっとそれなりのものはあると思っていたし)。

 

今回のこのチケット。なんと、座席はあっという間に無くなってしまったようで。恐るべし健ちゃん人気!と思ったりもしていた。当日、会場に着くと、「なんだ、思ったよりこじんまりした会場なんだぁ」と思った。なにせ、8列目という座席は、後ろから2列目。座席数で言うと、9列×28席。これでなんとなく、キャパはつかめるのではないかと思う。

 

 

2.聴かせて観せて、とにかく色々あった本編

 

17:10。「有楽町で逢いましょう」の曲にのって、グレーのスーツを身にまとった、健ちゃん登場(勿論客席からは、拍手と歓声)。ステージ中央の、グランドピアノに向かいながら、「有楽町で逢いましょう」をワンフレーズ歌う(この時曲は、かかっていない)。健ちゃんが、ピアノのいすに腰掛けるやいなや、メンバーも登場し、定位置に(この時、あれ?CICOちゃんと久美ちゃんはゲスト扱いじゃなくなったの?と思ったりした)。

 

ちなみにステージは、2段構成。簡単に紹介すると、上段下手側から、啓三君、CICOちゃん。そしてその段に腰掛ける形で、久美ちゃん。下段には、中央にグランドピアノ、その右隣(ステージ向かって)に、ウーリッツァ(鍵盤楽器)、上手側は、下手にある段とは違った形で、段が形成され(下手側より低い)、奥にトッチン、手前にトッキーという配置。

 

メンバーが、定位置に落ちつくとすぐに、「空が好きだった君に」。健ちゃんの、ピアニカによるイントロで、スタート。ワンフレーズは、健ちゃんの弾き語りで、その後啓三君のキーボードが重なり、2番で、バンドが一斉に入る。この時啓三君は、ピアニカ。徐々に音数を増やすという、構成。続いてすぐさま、「みち草」。オレンジ系統の照明。間奏部分では、啓三君のピアニカ。3曲目の、「The Birthday Song」も、2曲目から続いて始まった。この曲、なかなか、タイトルが思い出せなかった曲でもあった。

 

珍しく、3曲立て続けに演奏した後、メンバー紹介を絡めた、MC。健ちゃんは、マイクをもって立ち、「ようこそいらっしゃいました!」と、軽快に始めた。当初、この、1月10日(月)が、成人式と思っていなかった健ちゃん。小山田さんに、このライブの日取りを話された時に、「そんな平日じゃぁ…」と思ったそうだ(ちなみに、私もはじめ、(月)で、こんな時間からじゃいけないよと思っていたし、友人の知り合いは、会社があるから平日のこの時間じゃ行かれないということで、チケットを取らなかったそうだ)。そんな話から、「だいたい、誰が今日成人式って決めたの?」とか、「まあ、成人式なんて今日のお客さんには関係無いですね」と、続けていた。すると突然、トッキーおもむろにマイクを持ち、会話に加わる。ここからメンバー紹介。トッキーが、「ずーとるび」メンバーだったことを、ここで初めて知った。トッチンは、ゴスペラーズで年越しをした話、CICOちゃんでは、夢の国ネタ(CICOちゃんのいる所が改装されるらしい)、久美ちゃんは、風邪で低い声になってしまったこと、啓三君では、今日ここにあるオルガンは、使用料も払わずに、ずっと借りていたもの(by健ちゃん)と、やりとり。ステージバックの、ゴージャスな幕についても触れ(「なんかキャバレーみたいですね。某アーティストから借りたものです(健ちゃん)」)、「はじめて有楽町に来た人〜!」と客席に投げかけ、「そろそろやろうかな。音楽やりに来たし…」と、本題(?)に戻る。グランドピアノは、正真正銘のものと話をした後、その隣にある楽器の説明。次の楽曲で使うということで、説明された。その隣にある鍵盤楽器は、ウーリッツァ。カーペンターズでも使われていたものらしい。この楽器を使って、「Love Songはもう二度と」と「いつか2人で…」が演奏された。

 

Love Song〜」は、結構キーボードが効いたアレンジになっていて、かっこいい。スモークもたかれ、照明も凝っていた(この時点で、今回結構、照明に工夫を凝らしているなと感じ出した)。「いつか〜」では、ウーリッツァに少しエフェクターをかけての演奏。オリジナルよりも、より一層大人な雰囲気を醸し出していた。啓三君が、キーボードでつないでいる間に、健ちゃんは、再びグランドピアノへ。このキーボードのつなぎは、前曲から流れるような感じだったので、「1/25の君」も、すっと流れるように入った。この曲の後、健ちゃんは、タオルと水をもって立ち、少しMC(この間に、メンバーはステージを去った)。「今年の冬は暑いですね。暑いとどんな寒いギャグを言っても…」とか、「たくさん集まってくれありがたい。初めて座席指定。席がある人はおめでとう。立ち見の人は僕の分もがんばって下さい。なるべく、今年中にアルバム作りたいなぁ…」というようなことを話し、「ちょっと季節はずれですが…」ということで、弾き語りで、「花火」。この時も、演出が凝っていた。ステージ後ろの幕には、赤・青・緑色の、変形楕円(何と言ったらいいかな、わっか状の紐を、無造作に置いた時に描かれるような、曲線のモチーフ)の映像が現れていた。曲に合わせて動いたりしており、まさにホールならではの演出といったところ。

 

ここで、CICOちゃん、久美ちゃん以外のメンバー登場。最初、CICOちゃんが来れないっていう予定だったので、企画したというコーナー開始。題して、「インストゥルメンタルスーパーコンボ」。ここでは、健ちゃんが若かりし頃(今も若いが…)に作った、インスト楽曲が演奏された。楽曲紹介を交えて演奏されたのは、3曲。「A Gentle Breeze」では、曲紹介の時、「ジェントルなブリーフ」等と発し、会場から笑い発生。このタイトルを聞いた時に、心踊った私。「もう生で聴けないなぁ」と思っていた曲だから。以前、永井敏巳さんのセッションライブ(1998年の、1月、3月、5月)で聴いた物。本当に、「うわ〜嬉しい!!」と思った。その後も、そのセッションライブで聴いた曲が披露され、心底「今日来て良かったぁ」と感じた一時。「WINTER PARK」は、気持ち良いビートに難しいメロディとコードを載せた曲と紹介。ボサノバの曲。7拍子のボサノバを作ったという友人に対抗して、じゃあ変なメロディ作ってやる!ということで出来たそうだ。また、本当は、ソロの見せ所も含んでいたそうだが、突如辞めたらしい。なんでも、ソロを入れると非常に長くなり、それはまずいと思って、急遽辞めたとか。健ちゃんはトッチンに、「ごめんね」と謝っていた。長くても何でも良いから、ソロを聴きたいなぁと思ったが、色々都合もあると思うので、まあ、仕方がない。「My Treasure」では、久美ちゃん登場。そういえば以前、この曲の意味を知るために、英和辞典を引いたことがあるが、この場では健ちゃん、一応タイトル説明もしていた(まあ、「私の宝物」とか、「私の愛しい人」というような意味合い)。6/8拍子の曲と説明をし、始まったこの曲。セッションライブの時にはなかった、「スキャット」が入っていて、また印象が違う。アイコンタクトが、バンバン入り、メンバー全員の本領発揮というところか。特に啓三君は、なかなか見せない本領を発揮していた様に思う。とにかく、ここでのインストは、まさに全員の腕の見せ所という感じがした。改めて、「この人達は凄すぎる…」と感じた。

 

大曲3曲が演奏された後、CICOちゃん登場。健ちゃんは、ウーリッツァに移動し、ボサノバの「この冬が終われば」。初登場のこの曲は、なんとなく、昼ドラに使われそうな雰囲気。「僕らは終われない、このままじゃ…」というような歌詞。また、ここでも啓三君は、ピアニカも担当。

 

ここで、「ボサノバについてみんなで考えよう!」と健ちゃん。ちなみに、ボサノバとは、サンバのテンポを遅くした物(富山ツアーの時も言っていたけど)。「ボサ」というのはビートで、「ノバ」がNEWという意味(ちなみに、富山の時は「ノバ」は分かっていたが、「ボサ」については、健ちゃんもアニキも分からなかった。きっとその後、健ちゃんは調べたのだろう)。そして出たのが、「アントニオカルロスジョビン(ボサノバという言葉が出た時に、この人の話題が出るかな?とは思っていた)追悼企画(といっても他界したのは2年前)、ブラジル音楽に浸ろう!」(啓三君、波の音を奏でる。ステージ後ろの幕には、椰子の木)。この声の後、怪しげ(?)な、ゲスト2名登場!ブラジル人に扮した、CICOちゃんと、淳君。やってくれたこの2人。もう場内、彼らの動きに釘付け。CICOちゃんは、ボサノバとボサボサを掛けて、ボサボサヘアー(健ちゃんにそう突っ込まれていた)。淳君は、アゴを生かし、7:3ヘアーで、アントニオ猪木風に登場(アントニオカルロスジョビンのアントニオに掛けている。ちなみに、猪木のテーマで登場)。とにかく、2人の動きに、場内大爆笑。健ちゃんも、メンバーも笑う。とりあえずは、まず、演奏される楽曲の説明。原語で歌うことや、「Aqua De Beber」は、皆で歌おうねということも含めて、紹介。そして、メドレー開始。まずは、ウーリッツァを用いて演奏。「イパネマの娘」では、啓三君はピアニカを奏でる。「Chega De Saudade」で、健ちゃんはピアノに移動。そして、「Aqua De Beber」に入る前には、コーラス指導。再びピアノに戻り、皆でコーラスもし、メドレー最後の曲へ。「One Note Samba」でも、啓三君はピアニカ。この曲は、パーカッション、ベース、ピアニカ、ピアノと順に見せ場のあった曲。ちなみに、CICOちゃんと淳君は、怪しい格好のままで、演奏に参加。はっきり言って、この2人に目を奪われたのは、言うまでもない(特に淳君)。

 

このメドレーの後、CICOちゃんのソロが入り、「きっと夢を見ていた」につながる。力強いピアノの間奏。そしてトッキーのベースソロ。それを見ている健ちゃんは、ピアノの椅子に座ったまま、ベースを弾く真似。トッキーのソロは、観所聴き所。頭の後ろでベースを弾いたり、歯で弾いたり、床において(ベースを)うつ伏せになって弾いたりと、拍手と歓声の場面が多数有り。また、パーカッションとドラムバトルもあったりと、本当に観所聴き所満載の曲だった(ちなみに、この曲の時も、CICOちゃんと淳君は、例の衣装のまま)。この後、ウーリッツァが片付けられ、健ちゃんはつなぎのMC。淳君は、衣装のまま、仕事(セッティングのし直し)。CICOちゃんは、いったんステージを去る。ここで健ちゃん、藤井さんを紹介。急遽、今日来られることになり、ステージに出ることに。藤井さんが、ステージに登場すると、拍手喝采。藤井さんの衣装は、いつもと違った雰囲気。白いスーツに白い帽子。ギターヘッドに門松を差して登場。妙にハイテンションの藤井さん。結局、当初の予定(DMが届いた時のこと)とは大幅に違い、メンバーフル参加。飛び入りで参加の藤井さんとは、勿論リハーサルは行っていない。

 

藤井さんが登場し、繰り広げられた楽曲は、客席を立たせるもの(「立ち見の皆さんお待たせしました!」とか言ってた様な気がする)。客席総立ちで、場内ノリノリ。「詳しくは言えない」から、「東京エンプティタウン」まで一気に進む。「ダメじゃない!」では、CICOちゃんと久美ちゃんが、並んで振りつけ。昔のアイドル風な振りつけ(ちょっとピンクレディーっぽいものもあった)で、なかなか、キュート。「Cry’n Smile」では、おなじみ、コーラス大会。今回は誕生月でパート分け。1〜4月が、久美ちゃんパート(高音)。5〜8月が、CICOちゃんパート(中音)。9〜12月が、健ちゃんパート(低音)。しばらく練習し、本番。なかなか、良い状況でまとまったコーラス大会を経て、ステージ上を健ちゃんが動き回っていた、「STAR」。CICOちゃんが、はっぴを着て登場した(富山で着ていた物)、「東京エンプティタウン」。本編最後のこの曲は、CICOちゃんの軽快な踊り(ドミンゴイノ)、藤井さんの見せ場もあった。最後は、健ちゃんの、「一同礼」に合わせ、メンバー全員でお辞儀。この言葉に反応した啓三君は、ピアノで、お辞儀に付き物の音を奏でていたが、ちょっとタイミングずれ(あまり目立ってなかったけど。この行動)。拍手喝采の中、メンバーはステージを去り、本編終了。時間は何と、20:15。既に、始まってから3時間が経過していた。

 

 

3.   聴かせる曲でのアンコール

 

20:20頃、メンバー再登場。「さっき時間見たらびっくりした。エネルギーを分け合って楽しかったね」と健ちゃん。軽く挨拶をした後、「A HAPPY NEW YEAR」。本編で聴かなかったので、アンコールで登場だなと思っていたこの曲。やはり、年明けには、必要な曲でしょう。演奏後再び、メンバー紹介を行い、メンバーはステージを去る。そして、健ちゃんは、今年の目標を伝えた。「今年は、ナチュラルに生きる。遊びたくなったら遊ぶ。眠くなったら寝る。まあ、眠くなれば良いんだけど…」と、発表。そうは言うものの、今年は、スタレビツアーできっと多忙なはず。ナチュラルというのは良いとして、なかなか難しそう(遊びたくなったら遊ぶとか、眠くなったら寝るとか…)と、個人的に思ってしまった。目標を述べた後は、弾き語りの「1998」。いつもより、ため気味に歌っていたように感じた。この後、深々と笑顔でお辞儀をして、「ありがとね」。ありがとうという感謝を表すために、最後にもってきた曲だと思う。富山の時に最後で歌ったことを、思い出した。歌詞も、有楽町バージョンに替えて歌っていた(「東京の街は久しぶりでしょ。しかも有楽町なんて久しぶりでしょ」と歌っていた)。

 

こうして、最後に、お客さんに感謝の挨拶をし、拍手の中、健ちゃんは大きく手を振り、笑顔でステージを立ち去った(終了は、20:40)。

 

 

4.   さいごに

 

「はじめに」の項に、チケット代が高いなぁと思ったと書いたが、終わってみれば、まあ予想通り、そんな思いは微塵もなかった。本当に色々なものを楽しめた。照明は、凝っていたし(ホールならではと思った)。インストの楽曲は、本当に聴けて嬉しかったし、メドレーも良かった。今回のライブでのポイントは、グランドピアノだろう。やはり、健ちゃんはピアノが似合う。どこで言っていたか忘れたが、「ピアノはかわいい。もう頬擦りしちゃう」という言葉。まさに健ちゃんのピアノへの思いは、ここに集約されている。本当に、終わってみれば長時間行われていたライブだが、全然時間の長さは感じなかった。あっという間に、過ぎていった。本編だけで、3時間強。正直、時計を見て驚いた。様々な内容が目白押しで、音楽を堪能。いつもより、MCも少なく、本当に音楽づくしといった感じ。本ホールも会場的に、良かった。大きさもちょうど良く、なにより「座席が有る」というのが嬉しい(立ち見の方には、怒られそうな発言ですいません)。また、この会場でやってもらいたい。駅から近いというのもポイント高し(家からも行き易い)。

 

今回のライブの後、次はいつごろになるのか全く見当がつかない。スタレビの活動も忙しくなるだろうし。アルバムを出したい!とも言っていたので、それに期待もしつつ、気長に次を待とうと思う。